「学びたい」という欲求は、人間に本能的に備わっているものです。人はなにかを知ると、言葉で仲間に共有します。学びは個人的なものでありつつ、同時に社会的なものです。学びはそうやってコミュニティに広がっていきます。
「学習する学校」は、新しい概念ですが、その内容は、人間本来の欲求に沿った「学び」を実践し、そしてコミュニティに還元させる、という教育を原点回帰させる思想と実践活動です。私たち大人は、教育は「子ども」と「学校」に閉じられたものではなく、学校を含むコミュニティとともに広がるものであり、大人もその責任の一部を担っていることを覚えておきましょう。
2.子どもたちへ
もし学校の先生から「できない子」「教えてもむだ」といった否定的な評価や言葉を聞かされても、けっして「自分には価値がない」と思わないでください。たった1つの教科でダメだったり、一人の先生や友達の誰かに否定されたからと言って、あなたが他の分野でもダメだとか、その分野にまったく向かないということになりません。
そんなことよりも、自分の興味あることや知りたいことを大切にしましょう。大人の中には、あなたたちが考えている「家族や、学校や、社会のためになにかしたい」という願いやアイディアを本気にしないかもしれません。ですが、そういう状況はやがて変わります。その気持ちを持ち続け、ほんとうに子どもを理解する大人と協力していきましょう。そして仲間を見つけて、自分の学びを繋げながら生きていってください。それが新しい未来を作ります。
3.家族で話してみよう
もしも学校の先生に「できない」「劣等生」と言われるとショックを受けるかもしれません。しかし、それを頭から信じず、まずはどんなものさしで先生がそう評価したのか、家族で冷静に考えてみることから始めましょう。
もしそれがこれまでのような画一的なテストでの点数や、宿題の出来だったときは、先生の言葉をけっして鵜吞みにしないように、家族で話しましょう。先生や学校の評価と家族の評価や言葉を同じにしない方が、多くの場合、家族は安心できる場所になります。