自立した学び手を育てる
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自由な遊びは、子どもが友だちをつくったり、不安を克服したり、問題を解決したり、そして何より、子ども自身が生きるすべを学ぶ手段です。子どもが主体的に、自由に遊びの中で学びとることは、他の方法で教えることはできないのです。(6ページより)
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遊んでばっかりで、いいのかな?
 
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本書は進化論、発達心理学の観点から、教育での「遊び」の重要性を説いた本です。
 
著者はもともと進化心理学者、生物学者でしたが、息子が不登校になったのをきっかけに、心理学、生物学的観点から教育の研究を始めました。その結果、今現在、世界中で行われている義務教育が、人類が本来備える「自分自身を教育する」力を逆に奪ってしまっていること、そして子どもの「遊び」の本能を解放させることが、「自分自身を教育する」力を取り戻し、眠った子どもの力を伸ばすことを論証しています。

人工知能が人間の仕事を奪う、と言われて久しいですが、今後、新しい技術やツールが次々生まれる世の中では、上手に「遊べる」人間こそ、活躍できることを教えてくれる本です。
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遊び時間の減少と無気力な若者の増加
現代の教育を受ける若者に顕著に見られるのは、不安や落ち込み、無力感などの心の不調や、過度の競争やいじめの増加です。
日本の調査でも、30年前に比べ、子どもの不登校やいじめの件数は増加しているのに対し、子どもの自由時間、外遊びの時間は約30%減少しています。
学歴はあった方がいい職に就けるのは残念ながら事実です。しかし、著者は、先進国の子どもは行き過ぎた教育のせいで、自己教育能力と社会性を失っている、と言います。そのカギとなるのが「遊び」だ、と言います。
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大きくなる学校の支配と子どもたちの危機的状況

自由な遊びの衰退と子ども時代にまで浸透する出世第一主義は、子どもたちに多大な犠牲をしいています。(15ページより)


管理型義務教育の普及と学力偏重によって、子どもが自由に遊ぶ時間は減少し続けています。現代の学校教育で重視されるのは、テストが終わればすぐに忘れてしまう、というよりも、テスト以外ではほとんど役に立たない、評価しやすい表面的な知識です。「頭を鍛える」という建前はありますが、ただ評価するのが楽という学校側の都合でそうなっているだけで、生きていくために必要な「本当の学び」と「深い知識」とは無関係な精神論化しています
 
20世紀初頭から半ばまでは、子どもたちは日常的な外遊びの中でさまざまな経験をし、人生に必要な知恵を得ていました。その頃と比べて、現代の若者に顕著に見られるのは、不安や落ち込み、無力感など、心の病の急激な増加です。学歴はあった方がいい職に就けるのは残念ながら事実です。しかし、米国をはじめとする先進国は、子どもたちの本来の能力を見失い、子どもたちが自然に育つための環境を悪化させてしまっています。


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そもそも遊びって?
そもそも、「遊び」って何?という話なのですが、アフリカや東南アジアには現代でも原始的な狩猟採集生活をしている民族がいます。彼らを研究して分かったのは、文化人類学的にも生物学的にも人間には「学びたい」という本能が備わっており、その「学び」を構成しているのは「好奇心」「遊び」「社会性」の3つの欲求だということです。なので、現代人の学びもその3つの欲求に沿っていると、勝手に学ぶ、ということなのです。ではその3つの欲求とは一体どんなものかということを説明します。
  • 「好奇心」は未知の新しい知識や可能性を発見する欲求
  • 「遊び」は新しい発見や知識の使い方運用方法を検証・創造する欲求
  • 「社会性」は発見や方法を集団でやってみて伝達・共有する欲求
いってみれば、遊びは、発見した素材や技術をいじくりまわして、役に立ちそうな使い方や、面白くなりそうな方法を見つける実験・創造活動であり、人間は「遊び」を通じて「方法」を開発してきたということです
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狩猟採集的な学びかたは子どもにとって自然なもの

遺伝子学的に、私たちはみな狩猟採集民です。何十万年の自然淘汰が私たちにそのような生き方をするように形づくりました。(29ページより)


 人間の暮らしに農耕が出現したのは1万年前。100万年の人類の歴史で見ると、人類は99%は狩猟採集民として生きて、自然に適応してきました。生物学的に、私たちは狩猟採集民として生きるのが最適な遺伝子をしています。現在わずかに残る狩猟採集民の暮らしを調査すると、彼らが小さな集団の中で、平等と自律の考えに基づき、子どもたちの生まれもった才能を信じ、「信頼にあふれた子育て」を実践していることがわかります。大人たちには「子どもは自主的な遊びと探索を通して、自らを教育する」という考えを持ち、子どもから要望があった場合は自己教育を助けます。子どもたちは、年齢の異なる仲間同士で無制限に遊ぶ中で、生きていくために必要なスキルと価値観を学び、苦難を乗り越えるための自制心を獲得します。

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遊んでばっかりの子どもが心配になる理由
しかし、私たち親は「遊び」は「学び」に重要だ、と頭では理解しても、遊んでばかりの子どもが心配になります。なぜでしょうか?
 
著者はその理由を、現代教育が「農耕」「宗教」「国家」という三大発明を経てできたからと言います。この三大発明は、社会の安定性の替わりに「好奇心」「遊び」「社会性」の学びの三大欲求を犠牲にしており、今の教育システムを作っていると言います。
 
食料供給の安定をもたらした農耕の登場は、子育ての考え方も大きく変えました。植物を栽培し家畜を保有する暮らしには「好奇心」よりも「守るべきパターン」、つまり「常識」が優先されます。パターンを管理するリーダーの権力も強まり、子どもも労働力として、従順さが求められるようになり、子育てには「しつけ」という管理的な考え方が生まれました。
 
宗教は、理不尽な自然や世界、感情に意味と解釈、つまり生きるルールをもたらしました。皆が好き勝手を言う集団より、宗教で統一された集団は価値観が一緒なので、混乱が少なく安定した決定ができます。一方で、宗教は子どもにも新しさや創造性を生む「遊び」より、秩序を優先させるので子育てにも「道徳」という考えが生まれました。
 
そして、国家は収奪やその防衛を目的とした大きくて強い集団、つまり戦争を前提とする社会単位です。収奪には強くなる一方、今度は国益にかなう「強い人材」を育てることが目的となり、19世紀に義務教育が導入された時には、協力・共有する「社会性」よりも「競争」が優先されるようになりました。
まとめて言うと、
  • 農耕は、好奇心を犠牲に、常識を教育に、
  • 宗教は、遊びを犠牲に、道徳を教育に、
  • 国家は、社会性を犠牲に、競争を教育に、
という歴史の結果、「学び」の三大欲求を犠牲にして、常識・道徳・競争の3つに画一化された教育制度が続いています。私たち大人もかつては「学ぶ」欲求を持った子どもでしたが、成長するにつれ、社会の一員として、現状維持を優先します。そのため、頭では「遊び」を子どもらしい行動とは思いながらも、常識的・道徳的・競争的ではない、つまり教育的ではないと判断して、心配になるのです
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強制的な教育の弊害・子どもが学校嫌いにになる理由

誰かのスケジュールで、誰かが指示した方法を使って、人が強制的にさせられることは苦役です。子どもの学びをコントロールすることが、学びから楽しさを奪い去り、苦役に変えてしまうのです。(94ページより)


「本能的に学ぶ存在」である子どもが学校を嫌いになる背景には、子どもの能力を否定し抑えつける「強制的な教育」の存在があります。強制的な教育は、子どもの学びに以下のような害を与えています。
①正当な理由なく、自由を否定する
②責任能力と自主性の発達を妨げる
③学びを「勉強」=「苦役」にする
④子どものやる気を削ぐ形で評価する
⑤「分離」と「競争」を煽ることで「いじめ」の温床を生み出す
⑥クリティカル・シンキング(多角的に分析し、大切なことを見極めようとする考え方)を弱める
⑦スキルと多様な知識を減少させる



遊びが減るとどうなる?遊べない子どもが大人になっていく社会が危険な理由

遊びの減少が感情的・社会的な疾患を増加させていることは明らかです。(228ページより)


ただの遊びが減ると子どもはどうなってしまうでしょうか?遊びによって得られるものが無くなる、と考えれば簡単です。では遊びによって得られるものとは何でしょう?
遊びによって子どもたちは自分の人生をコントロールする方法を学びます。近年、「自己効力感」という概念が注目されていますが、遊びで育まれるのはこれに近い、競争ではなく協力的で、結果よりもプロセス重視の価値感です。たとえば、遊びのスポーツでは勝ち負けではなく、楽しむことが目的です。ゲームが面白くなるようにルールを工夫し、対立が起きた場合は話し合い、妥協することも学びます。ごっこ遊びでは自己主張しながら、お互いに譲ることを覚え、共感すること、他の子の考えを理解することを学びます。追いかけっこではスリルを味わいながら巧みに不安をコントロールします。他の子どもたちとの自由な遊びの減少は、このような社会的・感情的な発達を阻害することになります。それは子どもの将来を考えれば、とても残酷で危険なことです。
今後の社会では新しい技術、ツールが次々に生まれます。原子力のように扱い方次第で世界を便利にも不幸にもするものが次々と誕生する世の中です。のびのびと遊び、探求できる場所で育った人間が活躍する社会であり、そうあるべきなのです。


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「遊び」と「学び」の本能を証明した実験
それでも、学習本能を刺激された子どもの姿を目の当たりにしないと、私たち大人はその存在を信じられないかもしれません。もともと人間には他の動物をはるかに超えた学習能力があり、文化を受け継ぎ、創造し、積み上げていく本能的な欲求があります。それによって、肉体的に脆弱な人類は他の種や災害を攻略してきました。インドで行われた実験は、その「学び」本能を現代科学・社会でも証明しました。
 
ある農村に1台のコンピューターを電源に繋いで放置したところ、コンピューターに触れたことがない子どもたちが遊びはじめ、大人に教わることなく基本的な操作を習得し、瞬く間に多くの子どもたちが使いこなすようになっていました。この実験は、子どもが本能的に「好奇心」によって探求し、「遊び心」によってスキルを試し、「社会性」によって自分の学んだことを周りの子どもに広げることを示しました。同時に、子どもは1人よりも仲間と一緒の方がよく学べるということも裏付けました
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子どもの本能的な学習欲を伸ばす学校ってどんなところ?「サドベリースクール」の例
では、子どもの本能的な学習欲を伸ばす学校はあるのか?あるとしたらどんな学校なんでしょうか?アメリカの民主主義を体現する学校として誕生した「サドベリー・バレー・スクール」は、従来の学校と根本的に異なり、子どもたちに自由な空間と時間を提供しています。そこでは、大人はスタッフとして子どもの自己教育を助けます。決まったカリキュラムはなく、子どもたちは1日中自由で、さまざまな年齢の子と触れ合い、興味を追求するために多様な設備を使い、自由に考えを共有することができます。競争のない安心できる環境と、生徒たちが自主的につくる規則は、いじめの防止にも効果的です。また、多くの生徒が自発的な探求を通して得た知識やスキルを、卒業後の進路に生かしていることも特徴的です。


「良い遊び」とは?遊びの強力な教育的パワー

ここにもっともおもしろい遊びの逆説があります。遊びの強力な教育的パワーは、その些細さに潜んでいるのです。(201ページより)


では、「良い遊び」があるとしたらどんなものでしょう?心理学の研究では、遊んでいる心理状態では、学び、創造性、問題解決が促進されることがわかっています。逆に、評価や報酬への期待、遊び心がない状況は、マイナスに働きます。教育に良い影響を与える遊びは、以下のような特徴があります。
・自己選択的で自主的
・結果よりも過程が大事
・参加者のアイディアに導かれる
・創造的な要素がある
・能動的で注意深い姿勢が必要で、ストレスのない状態で行われる
難しいことを言っていますが、「子どものただの遊び」は大抵こんな条件を満たしています。「ただの遊び」は大人にとっては取るに足らないことに思えますが、純粋に楽しめる状況下だからこそ、失敗を恐れず、想像力を羽ばたかせて新しいことにも挑戦することができるのです。


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異年齢の混合の環境が成長には欠かせない
もう一つ重要な要素があります。それは異年齢の混合という環境です。授業がない自由な学校でも、子どもたちは年上または年下の子どもと接することを通して、社会で必要とされる多くのことを学びます。年少者は、年長者の活動を観察することで感覚を掴み、洗練された言葉や考えを聞くことで、語彙を増やし考えを向上させます。また。年長者の感情的なサポートは、年少者が安心して学びに打ち込むことを助けます。一方、年長者は年少者との触れ合いによって、気づかいやリードすることを学び、教えることを通して自分も深く理解します。さらに、年少者との触れ合いが年長者の創造性を発展させることもあります。最も重要なのは、同年代も含めて、子どもたちがその時々で誰と触れ合うのか自由に選べる民主的な環境です
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「信頼にあふれた子育て」のために、大人ができること

「あなたの子どもは、あなたではない」ということを信頼にあふれた親としてよく覚えておくことは重要です。(290ページより)


では、私たち大人はなにをすればいいのか?多くの親は、自由、個人の責任、自主性、誠実さ、一貫性、他者への気遣いを大切にしたいと思っており、「信頼にあふれた子育て」に惹かれています。実行するための第一段階として、まず、自分と子どもは別人、もっと言えば、まだ素材のままである子どもに対し、大人はすでに前時代的教育の工業的産物なのだ、と考えることです。次に、大人が自分自身を振り返る必要があります。自分が子どもだった時の幸せな瞬間がどのようだったか思い出し、子どもの人生を左右しようとする考えは前時代に置いておきましょう。そして、子どもを監視する代わりに、安全な環境で子どもたちが自由に遊ぶためにはどうしたら良いか考えてみましょう。地域でのびのびと遊び、探求できる場所を増やしていければ、子どもたちに必要な本当の学びを取り戻していけるはずです。



21世紀の教育インフラは「民主的なコミュニティ」作りへ
小さな集団社会で生きる狩猟採集民は、「自律(個人的自由)」「共有」、「平等」の価値が高く、集団での意思決定は、話し合いによる民主的なプロセスが重視されています。本書で紹介されるマサチューセッツ州の私立学校 サドベリー・バレー・スクールは、狩猟採集民の社会と同様に、民主的な教育環境を実現していると著者は分析します。この学校では4歳から高校生までが在籍し、カリキュラムを持たず、全ての生徒とスタッフが投票権を持ち、校則やスタッフの雇用や解雇など、学校運営に主体的に関わることができるのです。
まず「異年齢が混合」する「小さな集団」が周りに無いか思い出してみましょう。そこで子どもがどう振舞っているか、観察してみましょう。


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1.覚えておきたいこと
 
「信頼にあふれた子育て」は、子どもの自己教育を信頼し、指示や評価はしませんが、無関心とは異なります。アメリカの調査では、成績への圧力や、親がいろんな場所に連れ回すことで、子どもの不安や落ち込みが増加傾向にあることがわかっています。一方で、頻繁に家族で夕食を食べることは不安を低下させるというデータもあります。親子で共に過ごす時間はとても大切ですが、子どもの感情に寄り添わない場合は逆効果になります。
 
 
2.子どもたちへ
 
おもしろい教科や興味をひくテーマが見つかったら、好奇心の赴くまま、とことん追求してみよう。途中で退屈したりすることなく、遊んでいるような感覚で夢中で取り組めるのなら、それはもしかしたら、大人になってもずっと続けたいと思うような、本当にやりたいことに繋がるかもしれない。テストの点数や成績など、誰かが決めた目的のためではなく、楽しむことを最優先してみよう。そして、一見つまらないことでも、楽しめるように、目の前のことを遊びにできないか、アイデアを考えてみよう。
 
 
3.家族で話してみよう
 
現代の教育環境で求められているのは「競争」です。「競争」が成績やランクづけのシステムとくっついている限り、学校での不正やいじめ行為も無くなりません。近年は、優秀な生徒ほど多く不正をしていたり、近くの人をいじめているケースが見受けられます。彼らは常に優秀な成績を収めるよう圧力をかけられているからです。良い成績であれば、自分も親も教師も得をするという考えが、善悪の判断を曖昧にしてしまいます。これは、学校生活だけに限ったことではありません。「誰かにいい印象を与えるため」の不正行為や他者を抑圧する行為は、その後の人生でも習慣化してしまいます。友達にそんな人はいませんか?または自分がもしかしたらそうなっていませんか?だとしたら遊びが足らないのかもしれません。結果や成績ではなく、過程やプロセスを楽しめることを探し、勉強も楽しめる過程を見つけられるように話してみましょう。
 
 
4.本書では分からないこと

学校教育が誕生した歴史や現代の教育について、西欧的な視点で書かれているため、日本やアジアの教育についての情報は不足しています。また、狩猟採集民の教育方法が実際の現代社会のニーズを満たしていけるかどうかは、現時点ではまだ一部でしか実証されていません。著者が示す通り、今後、「サドベリー・バレー・スクール」の生徒たちが社会を変え、大人たちの価値観が変わり、実際に狩猟採集的学び(民主的な学び)が世界で広く実践されれば、その効果を確かめることができるでしょう
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以上、『遊びが学びに欠かせないわけ』の紹介でした。
 
子ども学習本能に基づく学校の具体例や、遊びと教育について、
もっと知りたいという方向けに、
付録に、関連本の紹介や、本書の手引きも掲載しています。
良かったら見てみてください。

ありがとうございました。
それではさようなら。
sotaaa@gmail.com
 
付録
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◎日本の事例ならもっと身近に感じるかも
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自分を生きる学校 -いま芽吹く日本のデモクラティック・スクール
デモクラティックスクールを考える会 著
 
日本における民主的な学校(デモクラティック・スクール)を紹介した本。子どもが自分でやりたいことを決め、自ら責任を持って学ぶ場所であると同時に、親自身にも大きな気づきを与えてくれると教えてくれます。子ども、スタッフ、親、それぞれの視点を通して、あらゆる角度からデモクラティック・スクールを分析しているので、読者はとても身近に感じることができるでしょう。既存の学校にどこか違和感を感じている方におすすめです。
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ホモ・ルーデンス 文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み
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人類を「ホモ・サピエンス(考える人・知恵のある人)」という言葉で表すのに対して、人間は根源的に「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」であると説いた20世紀を代表する歴史学者ヨハン・ホイジンガ。人間の文化は全て遊びから生まれ、遊びこそが人間の本質的要素であると説きます。遊びから始まる学びには、無限の可能性が広がっていることを想像することができるでしょう。
課題から読む逆引き読書」
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Q. ゲームのせいじゃない。外遊びが減っている本当の理由。 p 231-235、p278

Q. 子どもは学校なしでも育つ。家でも子どもに勉強を押し付けない「アン・スクーリング」とは?    p297-298
 
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書誌情報
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『遊びが学びに欠かせないわけ
ピーター・グレイ 著 
吉田新一郎 訳
 
 
<目次>
第1章 子ども時代の過ごし方の大きな変化
第2章 狩猟採集民の子どもたちは遊びでいっぱいだった
第3章 学校教育の歴史 誰の必要から、いまのような学校はできたのか?
第4章 強制された教育制度の7つの罪
第5章 母なる大地は現代においても有効である
第6章 好奇心、遊び心、社会性:インドで見る子どもたちの自己教育力
第7章 遊びのパワー:心理学が解き明かす、学び、問題解決、創造性
第8章 社会的・感情的な発達に果たす遊びの役割
第9章 なぜ異年齢の混合が子どもの自己教育力を飛躍的に伸ばすのか
第10章 「最悪の母親」と信頼にあふれた子育て
訳者解説:自立した学び手をどう育てるか
著者
ピーター・グレイ
(Peter Gray)

アメリカの著名な心理学の研究者。世界で広く読まれる心理学の入門教科書の著者としても知られる。ボストン大学で長く教鞭を取った後、現在は心理学の研究教授として籍を置く。以前は哺乳類の動機付けのメカニズムを研究していたが、現在は主に子どもの遊びと、遊びがもたらす教育的価値について研究を続けている。本書は、彼の近年の研究活動における代表作でもある。
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ブック紹介
『遊びが学びに欠かせないわけ
 
配信⽇:2023年4⽉19⽇
配 信:SHiORI
© SHiORI

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